活動報告

中小企業憲章制定8周年の集い(6月13日)

憲章運動の“これまで”と“これから”
~私たちは次世代に何を残すか

中小企業家自身が新たな社会づくりを目指す憲章運動の意義と展望を学ぶ

研究財団と共催

「中小企業憲章制定記念の集い(以下、記念の集い)」が開催され、全体で48名が参加しました。8回目となった今回は、愛知同友会と愛知県中小企業研究財団(以下、財団)との共催で、中小企業憲章運動(以下、憲章運動)の歴史的意義、成果、教訓を改めて確認するとともに、今日的課題を体系的に捉え、今後の憲章運動を展望することを目的に開催されました。

パネリストに、杉村征郎氏(中同協憲章・条例推進副本部長、静岡同友会相談役)、杉原五郎氏(中同協憲章・条例推進副本部長、大阪同友会副代表理事)、城所真男氏(愛知同友会副代表理事)を迎え、和田勝氏(中同協政策副委員長、愛知同友会政策委員長)をコーディネーターに討論が進められました。

原点に立ち返る

杉村氏からは、憲章運動の歴史的意義・成果・教訓と今後の方向性を主題に、社会の抜本的転換を目指した運動を中小企業家自身が構想し、全国に広げてきた中小企業運動としての憲章運動の意義。さらにそれを支える中小企業家の意志と情熱の源泉は、自ら「学ぶ」ことにあり、今の時代こそ、その原点に立ち返ることの重要性が明らかにされました。

杉原氏からは、現在、全国的に取り組みが進められている地域経済ビジョンの切り口から、大阪同友会での地域経済発展戦略立案の経験を踏まえて報告。漠然としたイメージに頼るのではなく、現状の課題や問題性を徹底的に明らかにし、その課題解決に向けてどのような主体的取り組みを実践するのかを構想する力が求められる点が強調されました。

憲章運動の過去・現在・未来を語るパネリスト

人権尊重の国際的潮流を踏まえて

城所氏は、グローバル化の弊害が、地域経済や中小企業経営にも及び、本来は最優先で目指されるべき基本的人権の実現の壁となっている現状を指摘。「人間が人間らしく豊かに暮らせる社会」を目指す憲章運動と、無秩序なグローバル経済からの転換を目指す国連のビジネスと人権に関する指導原則と持続可能な開発目標(SDGs)を照らし合わせ、国際的な人権重視の潮流を引き込み、憲章運動をより豊かなものとしていく方向性を提起しました。

最後に、鋤柄修氏(財団・新理事長)より、自ら主体的に学ぶことの大切さと、そうした積み重ねが同友会運動をより強く、より確かなものとしていくことが改めて確認され、集いの締めくくりとされました。