活動報告

飲食業関連研究会(飲食業を守るための対策会議)

「先を見据えた勉強会を」
~期間限定の研究会が発足

仲間と共に苦境に立ち向かい、明日を語る

励まし合いの輪が広がる

2016年経済センサス活動調査では、飲食店の1カ月平均売上高は1事業所あたり254万円(「中小企業家しんぶん」4月25日号・2面参照)。新型コロナウイルス感染症による営業自粛は、この大部分を蒸発させました。こうした中、大打撃を受けている飲食業関連の会員が悩みと知恵を出し合い、励まし合う場として「飲食業関連研究会」(飲食業を守るための対策会議)が4月に発足しました。

発起人は、世話人代表のまるはの坂野豊和氏、rakuenの古田健一氏、サン食品の加藤三基男氏、エバーの吉田幸隆氏の4名。飲食店を経営する古田氏が営業短縮や休業で厳しい状況に陥り、加藤氏に相談したことをきっかけに、吉田氏、坂野氏が2人に共鳴しスタートした、期間限定の研究会です。

メディア取材に取り組みの意図を説明する坂野氏(右)

具体的な情報から経営姿勢を学ぶ

これまでのテーマは、カネ(融資、雇用調整助成金、制度利用)、ヒト(社員への声掛け・支援、勤務体制、教育訓練)、自助・互助・共助・公助(取り組み事例、事業戦略、政策提言)などです。

「先行きが不安で、どんな対策をしたらよいのか」という率直な悩みのほか、「不安がある中でも働く社員に、お客様からの感謝の声を伝えている」「冷凍保存可能な食材は仕入れ、仕入先との関係を保ちながら営業再開に向けて準備中」「家賃交渉は互いの協力姿勢が大切」などと意見が出されます。また業種も支部・地区も超えて全国の同友会ともつながり、具体的な状況と経営判断の情報を交流し、先を見据えた経営のヒントを探る場となっています。

明日への活力を養う

有志でドライブスルーのカーマルシェを開催

また、研究会で出された様々なアイデアの1つの「TokoToko CARマルシェ in 常滑」を、5月17日、24日、31日に有志活動として開催。約20名の会員がテイクアウト商品を販売するドライブスルー形式の市場です。

会員企業が経営する休業中の空港パーキングエリアを会場に、皆で知恵を出し合い、自前で準備をしました。初日の様子は多くのメディアで紹介され、約1000食のお弁当と地域特産品などがお客様のもとに届きました。

「1社もつぶさない」「なんとしても生き残る」をスローガンに掲げる同友会。研究会では、経営の悩みやヒントを共有することで少しでも気持ちが落ち着き、明日への活力が湧いてくることを期待して、今後も活動を続けます。業界を問わず、メンバーも随時募集しています。

今こそ絆を活かした活動を

世話人代表 坂野 豊和 (株)まるは

新型コロナウイルス感染症拡大により、自社では予想を上回る影響が出ました。4月は休業要請後も8店舗中6店舗を時短営業としましたが、全体で大幅な減収。収益が見込めるはずのゴールデンウィークが近づくにつれ、社員や地域の不安も募っていきました。また、資金繰りや国の給付金などで自社は後手に回ってしまい、普段は前向きな私も流石に悩みました。

そんな時、サン食品の加藤三基男さんから、「飲食店経営の会員のために研究会を立ち上げるから、代表をお願いできないか」と相談され、役を受けるメリットは同友会活動の中で会得していた私は、すぐに承諾しました。

周りに助けられながら、Zoom会議やSNSを通じて飲食店経営者の悩みやアフターコロナへの取り組みなどを共有し、融資や給付金の手続きに関する学びを得るとともに、ゴールデンウィーク期間中の時短営業の決断や、テイクアウトの拡充など、前向きに実践できました。

この研究会を通じ、相談し合い、助け合いながら活動を続ければ、2週間で形となり盛況となったマルシェのように、可能性は無限であり、経営の新たな活路が開かれることを体験しました。これを新たな活動へとつなぎ、我々をはじめ社員や家族、地域の人々の笑顔につながれば嬉しく思います。