▼全国の会員が一丸となって同友会運動を推進した結果、2010年6月に中小企業憲章が閣議決定されました。その前文には、「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」と、私たちが国を支える主要な存在であることが明文化されています。そして2年後の2012年10月、今度は愛知同友会の働きかけにより、愛知県中小企業振興基本条例が公布・施行されます。ここでも、県の産業発展と雇用拡大の主要な担い手として、中小企業の存在と役割の重要性を県民が認識することが、改めて明記されました
▼これ以降、県下の自治体で中小企業振興条例の制定が相次ぎ、現在までに20市町において施行されています。これらは、それぞれの地区に所属する会員が、行政や他団体との関係づくりを草の根的に根気強く続けた結果、地域の信頼を勝ち取り、条例制定として結実したものです。まさに同友会運動の輝かしい到達点であるといえます
▼地域からの中小企業に対する見方の変化は、私たちに対する期待の高まりともいえます。そうした声に応えるためには同友会理念の「国民や地域と共に歩む中小企業」を自社の経営指針に取り入れ、日々の事業活動において具体的に実践し、市民生活の向上や地域振興にも貢献していかなければなりません
▼来年は県の条例制定から10年となり、愛知同友会の条例推進運動もさらに一段ステップアップを目指す節目の年になります。地域と自社の発展は不離一体であるとの認識のもと、改めて良い会社づくりに邁進する年にしていきましょう。
理事(政策提言) 浅井 勇詞