地域防災・BCP
西川 智氏 名古屋大学減災連携研究センター教授

10年後の姿を展望
愛知同友会60周年を機に、これからの10年を展望する「22ビジョン」作成の準備が進められています。その一環として、取り巻く情勢を把握するため、「災害時代、企業に何が求められるか」をテーマに、名古屋大学減災連携研究センターの西川智教授をお招きし、学習会を開催しました。
冒頭挨拶でビジョン検討委員長の佐藤祐一氏は、中小企業の社会的役割に触れ、雇用や安心を担う中小企業の存続が地域経済を支え、持続可能な社会につながることを強調しました。

存在価値を問う
学習会では、広域災害である南海トラフ地震に企業の事業継続計画(以下、BCP)としてどのように備えるかの講演を聞きました。
災害による業務停止期間は企業存続の鍵であり、その期間が長期化すれば市場復帰コストが増大すること。サプライチェーンや地域の関係を考慮したBCP戦略が必要なことが指摘されました。
限られた復旧資源(宿泊施設、交通手段)は、奪い合いになるといいます。その他、道路などのインフラの早期復旧が重要であることや、地域ぐるみのBCPの提案が出されました。
BCPが発動される時は企業存続の危機であり、その際に経営者は、何に自らの企業の存在価値を見出すのかが問われると言及がありました。

あるべき姿を明示
まとめのあいさつで加藤昌之代表理事は、企業の存在価値について問題提起を行いました。
災害は地域ごとに特色があり、その課題は地域で解決していくものであること。自社の存在意義と将来のあるべき姿であるビジョン作りの議論によって、「未来につながる展望を構築していこう」と呼びかけをし、学習会を締めくくりました。