愛知同友会創立60周年、歴史を学ぶ
~同友会運動の重要性を発信
城所 真男氏 重機商工(株)
経営環境改善の歩み
5月度広報部会では愛知同友会副代表理事の城所真男氏に、愛知同友会60年の歴史について報告していただきました。
城所氏は同友会の歴史を、(1)発足~1970年代、(2)80年代、(3)90年代、(4)2000年代、(5)2011年以降に分けて説明しました。
70年代までには「労使見解」が成文化されました。
80年代には会員数が全国で1万名を超えました。ちょうどその頃、大型間接税(現在の消費税)導入に際して勉強会を開催し、署名活動や反対運動を展開。他団体と連携して経営環境改善に取り組むことで、国に意見を言える経験をしたことが成果として挙げられました。
90年代は、会内の充実と会外への発信として同友会理念の制定(1990年)と、21世紀型中小企業づくりとして、大企業が海外進出を推し進めるなかで、環境保全への配慮や多様化の受容といった中小企業の働きを前面に出しました。
2000年代は金融アセスメント法制定運動や中小企業憲章制定運動、2011年以降ではエネルギーシフトや日本経済ビジョンが挙げられました。
先達の哲学を考察する
金融アセス運動においては貸し渋り・貸し剥がしが行われるメカニズムや、地域経済のためになるかならないかを勉強し、議会に請願しています。その結果、金融検査マニュアル別冊が作られました。その後も第三者保証の原則禁止や経営者保証に関するガイドライン、金融仲介機能のベンチマークなど経営環境の改善につながっています。
城所氏は、こういった同友会の歴史を踏まえ、中小企業憲章草案、日本経済ビジョン、SDGsを社員に見せているといいます。そして、それを指針書や就業規則に落とし込んでいるとのことです。
最後に城所氏は、歴史を振り返るにあたり、偉業の抜け殻を求めるのではなく、その理想としたことや哲学は何だったのか、深く思いを巡らせることが特に必要だと報告をまとめました。
安藤不動産 安藤 寿