活動報告

愛知同友会景況調査(2022年11月末)

足もと景気は大幅改善も
~金融・金利の動向に注意を

業況判断DI(全業種)

愛知同友会が四半期ごとに行っている景況調査では、足もとは改善していますが、先行き見通しを厳しくなると予想しています。このような、中小企業を巡る最新の景気動向をお伝えします。

全業種で改善「次期見通し」は悪化予測

「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いた「業況判断DI」の「今月の状況」は、前回から大幅に拡大しました。業種別では全業種でDI値が2桁台で大幅に改善し、特に製造業では1年(4期)ぶりにプラス値回帰しました。

その結果とは対照的に、「次期見通し」は「良い」超過幅が縮小しました。すべての業種で「良い」超過幅が縮小し、とりわけ製造業と流通業では2桁台の大幅下落です。

楽観できない先行き

足もとの景況感が大きく改善したのは「後ろ倒し需要」があると、景況分析会議で指摘されました。製造業や建設業では材料・資材の不足で活動が停滞しましたが、再び現場が動き始め、足もとの「需要」からも、景気が微妙な段階にある内容の記述回答が散見されました。

今後気がかりなのは、金利の状況がどうなるかです。今回調査では「短期借入金利DI」「長期借入金利DI」とも「上昇」超過幅が拡大しました。当面は現在の緩和的な金融政策が維持されると見込まれますが、諸外国との金利差拡大や、来年4月の日銀総裁の交代を機会に政策変更が起こる可能性は否定できません。今後の金融状況の動きには細心の注意が必要です。

【11月末景況調査要項】

(1)調査期間2022年11月21日~11月30日
(2)回答企業1296社
(建設業240社、製造業250社、流通・商業329社、サービス業477社)
(3)平均従業員21.8名