活動報告

広報部会(1月11日)

地域と中小企業の持続性のある未来を目指して
~「情報創造」で地域経済を先導する

井内 尚樹氏  名城大学教授

ローカル循環でお金の流出を止める

中小企業が主役でローカル循環への転換を

1月の広報部会では「地域と中小企業の持続性のある未来を目指して~『情報創造』で地域経済を先導する」と題して、名城大学経済学部産業社会学科教授の井内尚樹氏に報告いただきました。

昨今、グローバル経済環境は不安定の一途をたどり、戦争、急激な為替変動、輸入品を中心とした物価高など、世界経済の影響を中小企業も強く受けています。井内教授は、グローバルな循環に依存する経済に頼るのではなく、国内循環であるナショナル循環や、さらには都道府県単位のローカル循環へシフトしていくべきであり、その転換の主役は中小企業だという考えを示しました。

地域に眠る資源を活用

「里山資本主義」の成功例で知られる、地域の再生可能エネルギーを活用したオーストリアの「ギュッシング・モデル」。これを参考に、何もないと思っていた地域でも改めて地域に眠る資源を見直し、その活用や地域企業の活躍により地域創生を行うことは可能だと井内教授はいいます。地域に流入するお金が地域に溜まらず、バケツに穴が開いているように流出していく「漏れバケツ」状態を止めなければならないという話が非常に印象的でした。

経済産業省が開発した「RESAS(リーサス/地域経済分析システム)」を使い、地域の状況を分析することの重要性も、改めて感じることができました。

グループ討論では、私たち中小企業が目に見える範囲、手の届く範囲で小さいながらも地域経済に貢献していく必要があることを再認識しました。また、大きなテーマとしての地域経済活性については、「組織力を生かした同友会運動も大事」という発言もあり、改めて地域について、また広報部員として考えるきっかけとなりました。

Wise.A  水野 善崇