活動報告

ダイヤモンド部会(9月29日)

ベテラン記者のつぶやき

後藤 治彦氏  中部経済新聞社参与(編集委員)

後藤 治彦氏

今回は中部経済新聞社参与(編集委員)で同社記者歴40数年の後藤治彦氏をお招きし、地元経済や地元行政などを大いに「つぶや」いていただきました。

20世紀と比べ今感じること

中部国際空港の漁業補償について、第1期工事では不十分ながら公表されてきたことが、第2期工事では「個人情報」の名のもとに重要な情報が外に出ず、国・地方行政ともルーズになったといいます。後藤氏は、中部地方の競争力低下につながりかねないと危惧していました。

また小手先の広報に熱心な中小企業が多いと指摘し、広報と経営戦略は一体であり、PR会社に丸投げする会社が成功した事例は聞かないと断言します。反面、大手企業のサラリーマン社長より、全てを背負い飲み込んできた中小のオーナー社長に期待しているとエールを送りました。

歴史的視点、非主流の視点でこの地方を見る

今日の名古屋に影響を与えたのは「よそ者」が多いと伝わります。古くは朝鮮半島から多くの人がこの地方に渡来しました。明治以降のこの地方の財界人も、他郷の出身者が目立ちます。

今の名古屋の基礎を築いた人の中で1人挙げるとしたら、迷わず人見璣邑(ひとみきゆう、1729年~97年)を挙げるといいます。尾張藩9代藩主徳川宗睦の下で、農政改革、河川改修、民衆教化、新田開発と産業振興などの藩政改革を行い、現在につながる名古屋の基礎を築いた人物です。

後藤氏は、今でも週1回のペースで独自性にこだわった「論説」を執筆されています。激しく変化する時代、「中小企業家も時流に流されない独自的な判断が求められている」と、最後に後藤氏は強調しました。

RE建築設計事務所  三輪 邦夫