活動報告

報道記者との情報交換会(4月5日)

中小企業の現場では 今、何が

中小企業の現場情報を伝える加藤代表理事

賃上げ・価格転嫁の現状は

通算35回目となる報道記者との情報交換会が開催され、同友会側からは加藤昌之代表理事、林康雄副代表理事(報道部長)をはじめ11名が、マスコミ側からは朝日新聞、共同通信、中日新聞、中部経済新聞、日刊工業新聞、読売新聞の6紙7名が参加しました。

冒頭挨拶で加藤代表理事は、人を大切にすることが企業の発展に不可欠となり、同友会のめざす人間尊重経営が必須となる時代に来ていることに触れ、中小企業の様々な情報が集まる団体として、情報創造による的確な発信をしていきたいと述べました。

今回のテーマは、景気動向を踏まえた、賃上げや価格転嫁の状況についてで、賃金・労働調査の概要が紹介されました。

調査結果としては、賃上げする企業割合は上昇しているものの、賃上げの原資の確保がままならない比率が半数弱を占めること。コスト上昇分を転嫁できない企業が4割を超えることが特徴的であると報告がありました。

利益状況の改善が鍵

意見交換では、大手取引先が価格転嫁交渉のテーブルにつく動きが出てきていることや、賃上げの原資が不十分なままでも賃上げを行っている現状が示されました。

また賃金が上げられない会社は、初任給の格差により、採用が困難になること。中小企業の人手不足倒産の増加が現実味を帯びていること。そして自動車業界では、現場では情報が取れず新聞報道で初めて事態を把握する状況にあることや、製造業に偏った外国人技能実習生制度の問題について投げ掛けられました。

価格転嫁、賃上げが進められていますが、物価上昇に賃金上昇が追いつかず、実質賃金は継続的に減少を続け、個人消費の拡大は進んでいません。賃上げを通じて家計に経済成長の恩恵が及ぶには、中小企業層の利益状況が改善し、圧倒的多数の雇用者の賃金が上昇する。こうしたプロセスそのもので状況を見極めることが重要といえます。