活動報告

東海農政局・東三河支部農業研究会合同例会(2月15日)

「みどりの食料システム戦略」で地域を活性化させよう

野中 勝彦氏  東海農政局 地方参事官
古溝 和幸氏  東海農政局 総括農政推進官
杉浦 大地氏  杉浦農園 代表者

自社のビジョン実現に向けた取り組みを語る杉浦氏

持続可能な食料システム

東三河支部農業研究会2月例会では、農林水産省東海農政局の野中勝彦地方参事官と古溝和幸総括農政推進官より「みどりの食料システム戦略」についてお話しいただき、杉浦農園代表者の杉浦大地氏より経営実践を報告いただきました。

野中氏と古溝氏からは「みどりの食料システム戦略」策定の目的が説明されました。地球温暖化・生産者の減少や高齢化等の生産基盤の脆弱化・地域コミュニティの衰退など課題がある中、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションによって実現することにより、気候変動や災害に強い持続可能な食料システムの構築が急がれているといいます。目的実現のためには、食料システムを構成する生産から消費までの各段階において、環境負荷軽減の取り組みの実践や革新的な技術の導入のほか、食料システムに携わる多くの関係者の行動変容が不可欠だと話されました。

知多地域を有機農業の産地に

知多郡美浜町で農園を営む杉浦氏からは、知多半島の有機農業生産者ネットワーク「知多の恵みグループ」の取り組みが紹介されました。

同グループは新規就農者を取り残さないための仲間づくりをめざして結成され、知多半島を有機農業の産地にすることをビジョンに掲げ、勉強会を開催して互いの生産技術の向上を図り、共同物流・出荷管理のIT活用にも取り組んでいるといいます。杉浦氏はオーガニックビレッジ事業を推進させ、有機農業を地域に拡大し、発展させていきたいと展望を語りました。

本例会には農業経営者だけでなく、多くの異業種の方々にもご参加いただきました。グループ討論では「循環型社会を実現するために自社が取り組んでいることや考えていること」をテーマに話し合い、様々な実践事例が紹介されました。

「みどりの食料システム戦略」の実現のためには企業・行政との連携が必要です。異業種交流も含め、本例会での学びをそれぞれが自社で実践し、東三河地域の農業が活性化することを期待します。