▼2010年6月18日、中小企業憲章(以下憲章)が閣議決定され、今年で14年が経ちました。6月5日には憲章閣議決定後から行われている中同協主催の「中小企業魅力発進月間」のキックオフ行事も開催されました。ちなみに、2012年10月16日には愛知県中小企業振興基本条例(以下条例)が施行されています
▼同友会はなぜ憲章・条例の制定運動を行ってきたのでしょうか。中同協作成の憲章草案前文には「私たち日本国民は、国民一人ひとりを大切にする豊かな国づくりのために、日本の経済・社会・文化及び国民生活における中小企業の役割を高く評価し、ここに憲章を制定する」。条例の愛知同友会案前文には「中小企業の生き生きとした活動を促進し、愛知県をより豊かで住みやすい魅力ある地域とするための条例をここに制定」するとあります
▼日本が大規模・集中・グローバル化を行うことで成長してきた一方で、その弊害が今の日本の課題となっています。格差の拡大、地方経済の疲弊、自給率の低下等です。同友会が進めてきた憲章・条例の運動とは、これまでの政策を抜本的に変えることです。中小企業を柱とする多様・分散・ローカルな視点です。豊かな国、住みやすく魅力ある地域にするため、中小企業の経済的・社会的・文化的な役割への見直しを促し、併せて私たち自身がその自覚を持ち自社を変革していくことがこの運動です
▼憲章・条例は中小企業支援施策が目的と、矮小化されて理解されることに危惧を感じています。憲章・条例が目指している社会は、まだまだ先にあります。
政策委員長 和田 勝