活動報告

地域経済の課題を伝える(5月20日)

財務省のヒアリングに応える

中小企業の現場で起こっている状況を伝える

中小企業が直面する現状は

財務省では、各種政策の企画及び立案にあたり、国内外の経済情勢等を把握し、分析しています。その一環として全国各地域の現状や課題を直接把握する取り組みを行っており、その中で東海地方の中小企業の取り組みを聞きたいという要請を受けて、このたび事務局にてヒアリング会が行われました。

財務省からは大臣官房総合政策課の大澤銀河氏、胡桃澤佳子氏、伊藤祐嗣氏と東海財務局のメンバーが参加し、当会からは副代表理事の明石耕作氏、馬場愼一郎氏と理事の鳥越豊氏が応対しました。

自動車産業では、一次サプライヤーごとに価格転嫁に対する温度差があり、コストダウン要請も継続してあること。交渉のテーブルにつけた場合には、エビデンスを求められるため、データ収集が煩雑になることが紹介されました。

運送業界からは、運賃の値上げは困難であり、標準価格の提言がされ、そのような環境でもダンピングする同業者がいることや、労働規制による収入減のため運転手が他の産業に流出してしまうなどの課題が報告されました。

また、所得税が発生しない年収ラインである「103万の壁」がパート労働の不足に拍車をかけていること。労働力が充足できないために仕事の受注ができない事例も散見されてきたこと。社会保険料の継続的な上昇により経営の負担が増え続けているとの発言もありました。

内部留保が潤沢な大企業とは違い、中小企業では賃上げの原資が限られていますが、人材採用や社員の転職を防ぐ意味でも賃金上昇は喫緊の課題といいます。産業構造を変革していく課題や、デフレ経済からインフレ経済へのモードの変化があり、中小企業は将来のビジョンを明確に描き、情報分析に基づいた適切な指針を示していく必要があることが強調されました。