資源循環により新たな価値を創出
高橋 慶氏 (有)環境テクシス

脱サラして創業、食品リサイクル事業へ
8月農業部会には12名が参加し、豊川・新城・蒲郡地区所属の高橋慶氏の会社と小売店舗である豚専門店「雪乃醸」を視察しました。まず高橋氏から事業説明と、会社経営における理念やビジョンの構築の大切さと収益構造の作り方について、熱く語っていただきました。
高橋氏は19年前に脱サラし創業して、食品残さを回収し、堆肥を作る事業から始めました。ある時、顧客から菓子を豚の餌として利用する提案を受け、飼料としてのリサイクルの事業を開始しました。その後、大学との共同研究などを行い、幅広い食品リサイクル事業に取り組むようになりました。
経営理念は、「創意工夫をもって資源循環により新たな価値を生みだし、持続可能な社会実現に貢献する」こと。目指す食品リサイクルは、高品質なリサイクルと低いコストの両立です。リサイクル製品を使っていただいたお客様、原料を供給していただくお客様のどちらからも喜ばれることを目指して努力しているといいます。
持続可能な社会に貢献
次に、食品リサイクル飼料を与えて肥育された豚肉を販売している小売店「雪乃醸」を視察しました。食品残さを豚の餌に使用すると肉質が落ちると思っている農家の方がまだまだ多いといい、そうした誤解を払拭するために自ら養豚を始め、肉の販売まで行っているとのことです。
高橋氏にとって小売店舗の出店は初めての試みだったため、さまざまな想定外の問題が出てきたそうです。その対応方法や、商品開発の軌跡、商品の売れ行き状況、ターゲットとする顧客層についての説明がありました。中でも、リアルタイムで売り上げがわかるレジのシステムの導入は参考になりました。
参加者からは、商品や販売戦略、課題の解決方法などについて、活発に質問が出されました。
手島バラ園 手島 成俊