景気は“微かに改善”、先行きに強い“期待”
~長短金利は2008年2月期調査以来最大の「上昇」超過

改善は微かながらも今後業況好転の予感
「業況判断DI」の「今月の状況」は、前回の20から21へ1ポイント「良い」超過幅が拡大するにとどまりました(上グラフ参照)。業況に「微かな改善」を見ることはできるが、景気回復の「力強さ」は感じられないというのが今回の結果です。
「前年同月比」も前回の6から8へ2ポイント「好転」超過幅が拡大しましたが、業種別では建設業と流通業で改善が見られた一方で、製造業は横ばい、サービス業は「好転」超過幅が縮小するという結果でした。
今回の調査結果を特徴づけたものは、「先行き」への強い期待です。「次期見通し」は、前回の22から29へ7ポイント「良い」超過幅が拡大しました。
景況分析会議でも、強気な「次期見通し」の根拠に注目が集まりました。「足もとの状況は良くないが、活気は戻ってきているようだ。今後は好転しそうな予感がしている」(サービス業)。「大手ゼネコンがコロナ禍の折に水面下で進めてきた案件が動き始めている」(建設業)、「防衛装備品関係からは繁忙の様子も聞く」(製造業)など、確かに今後の業況好転を予感させる声が聞かれました。
とはいえ、文書回答では現況については厳しさを訴える声が目立ちました。
利上げの影響大きく
なお、日銀による利上げの影響が中小企業に及んでいます。前回調査で16年ぶりの「上昇」超過水準となった「短期借入金利DI」と「長期借入金利DI」は、今回調査では双方とも2008年2月期調査以来で最大の「上昇」超過幅となりました(「短期」9→14、「長期」11→18)。
「金利のない社会」から「金利のある社会」への転換が進んでいるため、中小企業経営者にも意識の転換が求められています。
[調査要項]
調査期間 | 8月19日~28日 |
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対象 | 愛知同友会会員企業 |
方法 | 会員専用サイトにて配信、自計記入 |
回答企業 | 1337社 (建設業233社、製造業258社、流通業338社、サービス業508社) |
平均従業員数 | 21.8名(中央値7名) |