国民生活を根底から支える中小企業を守る

下請単価の改善で中小企業の経営を守る
愛知県労働組合総連合(以下、愛労連)の民間部会との懇談会が6年ぶりに行われ、愛知同友会から8名と愛労連からは10名が参加しました。
愛労連は、最低賃金の引き上げや労働基準法の抜本的改正など、労働者の要求を実現するための活動をしています。今回は、トヨタをはじめとした自動車産業に関わる労働者の大幅賃上げと下請単価改善で中小企業の経営を守るため、トヨタ自動車が社会的責任を果たすことを求める要請書について説明がありました。
また、中小企業支援の提言として全国一律最低賃金による地域活性化や、愛知における公契約条例を広げる取り組みについても紹介がありました。最低賃金の地域格差が拡大すると、最低賃金が高い大都市に人口が流出し、大都市の一極集中を加速させます。そのことで地方の地域経済が悪化し、最低賃金の地域格差がますます拡大するという負のスパイラルが生み出されています。そのため愛労連では最低賃金法の改正として、最低賃金を「地域別」から「全国一律」にするという提言を出しています。
最低賃金引き上げに苦慮する中小企業
同友会側は、2024年度「最低賃金引き上げに関する調査」の結果を報告。本調査は2024年10月1日~4日の期間で行われ、568社の回答がありました。
最低賃金の引き上げについて「知っている」と回答した企業は全体で90.5%、「対応済み」と回答した企業は同77.3%となりました。最低賃金引き上げの取り組みについて、回答数が最も多かったのは「商品・サービスの値上げ」の45.5%となりました。続いて「生産性向上」と「臨時・パート・アルバイトの賃金引き上げ」が同数の41.2%という結果となりました。
文章回答では、「人件費の上昇分を、施工単価に転嫁し続けられるかが心配(建設業)」、「扶養の範囲内で働きたい人の時間が短くなり、手が足りなくなる(製造業)」、「大企業でもなかなか価格転嫁に応じないところもあり苦慮している(流通・商業)」など、中小企業の苦しい現場の声が多数集まりました。