今さら聞けない地球温暖化のメカニズム
~独立技術士交流委員会との合同例会

なぜ二酸化炭素が悪者になったか
毎年12月恒例のAICLとベテラン技術士で構成される独立技術士交流委員会の合同例会が、合わせて22名の参加で行われました。
今回は松原守技術士が、地球温暖化のメカニズムについて講演を行いました。
松原氏はまず、地球の大気と地表が太陽からのエネルギーを電磁波の形で吸収・反射していることで、地球の気温が安定的に保たれているという基本的なメカニズムを紹介。その上で、二酸化炭素に代表される「温室効果ガス」がなぜ地球温暖化につながるのかを解説しました。
人間の活動によって発生・増加する温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)やメタン(HC4)などはいずれも奇数原子の分子です。これらは地球の大気の大部分を構成する窒素(N2)や酸素(O2)といった2原子の分子と異なり、太陽の電磁波を受けた際に原子振動で新たに電磁波を発生させます。この電磁波が周囲の大気に吸収され温度を高めるため、CO2の大気中濃度が高まるほど温暖化が進行する、というメカニズムが解説されました。
温暖化対策にビジネスチャンスあり
続いて「真鍋モデル」と呼ばれる代表的な温暖化研究についてと、それを基にした松原氏自身による、CO2濃度による気温分布変化の計算結果などが紹介されました。
最後に松原氏は、CO2排出削減のため、待機電力の節約や、簡易包装の商品を選ぶなどしてごみを減らす、近場への移動は徒歩にするなど、1人1人にできることから始めることを呼びかけました。またエネルギー生産、運輸、建築や農業など各産業でのCO2削減で注目される新技術を紹介し、「温暖化対策にはビジネスチャンスが必ずある」とまとめました。
例会終了後には記念撮影を行い、翌年の再会を約束し合いました。