活動報告

公正取引委員会との意見交換会(3月7日)

公正取引の実現に向けて
~価格交渉の現実と課題

価格交渉の実状を伝える

適切な価格転嫁への取組

通算6回目の公正取引委員会中部事務所(以下、公正取引委員会)と愛知同友会の意見交換会が開催され、公正取引委員会より渡部良一中部事務所長をはじめ4名、愛知同友会からは高瀬喜照会長、加藤昌之代表理事など9名が出席しました。

まず公正取引委員会の加瀬川晃啓総務管理官から「適切な価格転嫁の実現に向けた公正取引委員会の取組」が説明されました。優越的地位の濫用の事例紹介、下請法による禁止行為、運用状況と最近の勧告事案紹介がありました。さらに昨年の同意見交換会でも話題に上った手形について、昨年11月1日より、全業種で支払いサイトが60日に短縮され、これを超える長期の手形等を交付した場合は、指導対象となることが強調されました。

また、適切な価格転嫁を進めるために策定された「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」に基づきさまざまな取り組みが進められる中で整備された「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」については、発注側に求められる「望ましい行動」を提示した点に特長があること、今後はさらに周知を進め、フォローアップ調査も継続して実施していくこと、違反行為に対しては厳正な法執行を行っていくことが述べられました。

価格転嫁をめぐる新たな課題

意見交換では、愛知同友会からの出席者より各社・各業界の状況、とりわけこの間の激しい物価上昇と価格転嫁について現況が報告されました。「価格交渉も取引先の業況に左右される。値下げ要請が来る業界もある」、「発注側が指定の商社を間に挟む動きがある」、「リピート品の価格交渉はしづらい」、「発注側が事業部門ごとに分社化していることで、価格交渉先も複数にわたる。交渉の手間が極めて大きい」など、全体的に前進してはいるものの、常に新たな課題に直面しており、各社・各業界とも苦慮している様子が紹介されました。

「私たち自身は受注側であると同時に発注側でもある。自ら姿勢を正さなければならない」との発言が出されるなど、社会全体での公正取引の実現に向けて、企業規模を問わず、すべての企業が社会的責任を果たしていくことが確認され、意見交換会の締めくくりとされました。

●労務費の転嫁交渉に応じてもらえないなどお困りの場合は、公正取引委員会の「情報提供フォーム」から積極的に通報してほしいと呼びかけられています。

【情報提供フォーム】
https://www.jftc.go.jp/soudan/jyohoteikyo/romuhitenka.html