活動報告

名古屋第2支部 行政連携学習会(2月28日)

まちづくりと中小企業 その役割と期待

鈴木 誠氏
愛知大学地域政策学部教授
日本地域経済学会会長

鈴木 誠氏

新たな価値観の中で自社を考える

名古屋第2支部行事「行政連携学習会」が開催されました。講師に愛知大学地域政策学部・教授の鈴木誠氏をお迎えし、「地域が自立し発展するために、中小企業に期待される役割とは何か」という課題を深めるとともに、地区や青年同友会の枠を越えた相互連携を促進することを目的としました。

鈴木氏からは「地域の改善を進める上で、成長志向の中小企業政策だけでは限界がある」「地域企業はどのような社会課題と向き合い、誰(町内会、NPO法人、行政など)と協力し、誰のために『豊かな暮らし』の実現に貢献できるのか」「その結果、10年後に地域企業はどのようなワークエンゲージメントを強みとし、地域社会における存在価値を高めていくのか」が提起されました。

その後のグループ討論では、「自社が地域で求められる役割は何か」をテーマに活発な意見交換がなされました。

自社が地域で求められる役割について意見交換

鈴木先生のお話には、多くの共感できる点がありました。特に「人間相互の関係」や「志を同じくする仲間」といったお話は、利益の追求だけではなく、社会的な共感が重要視される時代において、大きな意味を持つと感じました。自社の利益だけを考えるのでは時代遅れであり、新たな価値観で、考え方を変えていく必要があると感じた次第です。経営指針のあり方も、考え直すことも必要かと考えます。これはまさに「22ビジョン」におけるフロントランナー型企業を想起させるものでした。

今回、名古屋市条例推進委員会のメンバーにオブザーバーとして参加いただけたことも、大きな成果です。日頃から地域と企業経営を結びつけた実践の中で得られた教訓など、有意義な意見交換ができました。

最後に、「22ビジョン」で掲げる「地域未来創造企業」の実現に向けた運動の継続を呼びかけて、学習会のまとめとしました。

(株)ディパーチャーズ  天野 幹三