活動報告

広報部会(6月23日)

「情勢と展望」から読み解く
~円安、物価高、労働力不足時代に勝ち残るための視座

安藤 寿氏  Lavie(株)

「同友Aichi」を傍らに議論を深める

選別・淘汰の危機迫る情勢

6月の広報部会では、定時総会で報告され、本紙3月~5月号で3回にわたり掲載された「情勢と展望」の内容をもとに、経営環境調査委員長の安藤寿氏に報告いただきました。

安藤氏はまず、企業経営においては「現状を踏まえる」ことが出発点となることを確認し、「情勢と展望」についてはものの見方や考え方の一例であり、見る人の立場や所属している組織、人となりなどで変わり、そのどれもが正解だといいます。

続いて円安の歴史と現在の構造的特徴に触れ、日本の経済的課題の改善策として、経済回復のサイクルを説明しました。また、愛知県内の中小企業の現状は赤字が黒字を上回る状態が続いており、要因として仕入れ価格の上昇に販売価格の上昇が追い付かないことによる利益状況の悪化が解消されないことが大きいといいます。

その状況下で金融機関の貸し出し態度が硬化し、貸出金利が上昇に転じている中で、中小企業には「選別・淘汰の危機」が間近に迫っているといいます。金融機関と日頃から密にコミュニケーションを図ることが重要で、ローカルベンチマークや経営デザインシートなどを用いて金融機関と「共通言語で対話」することが必要だと強調しました。

報告する安藤寿氏

「4つの視点」で展望する

最後に、今後の展望については「失われた30年」からの決別がポイントだといいます。経済回復サイクルを回すための課題について、「外部環境の改善にも労使が力を合わせる」「付加価値の増大」「人材確保」「新市場の創造」と4つの視点で話されました。

広報部ではこれらのいずれかの視点で各支部が会員企業1社を選んで取材し、11月から2月の4回にわたって発表していただきます。

今回の報告を聞いて、金融機関との対話を図るため自社の経営デザインシートを見直し、付加価値について再度考える必要性を感じました。

グループ討論では、支部ごとに分かれて4つの視点で話し合われ、前向きな意見交換がなされました。「情勢と展望」の重要性を支部・地区に伝え、各社が課題に真摯に取り組むための良い機会となったのではないかと思います。