活動報告

政策委員会(6月13日)

私が見てきた同友会の政策活動史

和田 勝氏  トータル・サポート 瀬戸

和田勝相談役

基本スタンスの確立

第64回定時総会にて、愛知同友会の政策委員長を12年間務めた和田勝氏(トータル・サポート 瀬戸、瀬戸地区)が退任し、新たに浅井勇詞氏(アサイウッドマテリア(株)、海部・津島地区)が政策委員長に就きました。これを受けて、和田氏が愛知同友会の政策運動にかかわる中で考え、学び取ってきたことを共有する学習会が開催されました。

和田氏は、世界史・経済史の大きな転換点となった1995年を起点に振り返ります。とりわけ90年代終盤に起こった日本の金融システムの揺らぎ、その渦中での中小企業への貸し渋り、貸し剥がし問題に愛知同友会がいち早く着目し、新たな法制度の提案として、全国を巻き込む運動となった金融アセスメント法制定運動が、愛知同友会の政策運動の基本スタンスをつくったことを強調。

「仲間の苦しみを共有する」「学習し、議論を繰り返す」「反対運動ではなく、新たな提案を行う」「会内だけでなく、広く世論からの共感を基盤とする」「常に自社の経営と、経営者自らの姿勢を正す(襟を正す)」。これら確立された5点の基本スタンスは、以後の「中小企業憲章・中小企業振興基本条例」、「中小企業憲章の理念に反する不公正税制の問題」など、愛知同友会の政策運動に引き継がれ続けています。

約20年の政策活動を振り返る

時代の一歩先へ

またこの間は、中小企業家の見地から平和に関する諸課題を考える取り組みや、2011年に国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」と、日本での国別行動計画の策定への関与、人間尊重の経営を行う中小企業が正当に評価される公正な競争環境の実現を目指す「中小企業憲章のアジア条約化」に向けた研究など、一歩先を見た課題に、愛知同友会の政策委員会は取り組んでいることを紹介。「多数決に頼らず地道に議論を重ね、大きな方向性で合意形成すること」「政党や政治家に寄りかからない自主・自立の姿勢を堅持すること」の2点を強調し、愛知同友会らしい政策活動の広がりに期待が寄せられました。

最後に、会員と事務局の関係について次のように触れ、報告を締めくくりました。

「同友会は理念でつながった団体。それは会員と事務局が対等に、そして同じ方向を向いて運動を進めることができるということ。私にとって事務局は同志。これからも肩を組み、運動を進めよう」。