活動報告

企業変革支援プログラムVer.2学習会・第1弾(7月28日)

人を生かす経営推進部門

変わり始める組織をつくる

青木 義彦氏  (株)サンテック

「迷いながらも進む姿勢」の大切さを語る青木氏

人を生かす経営推進部門の設営で、企業変革支援プログラムVer.2の普及・登録に向けて学習会が開催され、20名が参加しました。

昨年から始まったこの学習会の第1回は変革の必要性と7つの外部環境の変化(市場、技術、競争、顧客、法規制、人材、持続性)について、第2回では自社の実践事例を中心に経営指針書との結びつき、現状認識について報告がありました。

通算第3回、今期第1弾となる今回は、変わり始める組織をつくるために社員と共に進める企業変革の実践について、担当理事の青木義彦氏より報告されました。その概要を紹介します。

一新ではなく、問い直し

何かを変えようとする時、多くの経営者は企業を一新しようとしますが、いくら経営者がトップダウンでやろうとしても、説明責任をきちんと果たさなければ、会社の方針について行きたくても行けない社員を生み出してしまうことになります。結果的に、社内で分断を生みかねないので、一新ではなく、問い直しが大切だと気付きました。

今のやり方でどうか、問題はないかを社員に問いかけて、考えてもらいます。社員も目先の作業に追われるのではなく、目線を上げて、仕事を遂行していくという意識変革が必要です。

「迷いながらも進む姿勢」を大切に

私が意識していることは、社員の小さな違和感や気づきを見逃さないことです。2023年より毎週月曜日の全体朝礼を活用し、共通課題として、(1)情報の一元化と共有、(2)コミュニケーションの改善、(3)スキルや知識の見える化、(4)業務プロセスの標準化と改善が挙がりました。現場や若手に求めるだけではなく、経営者自身が変わっていこうとする姿勢が必要です。

中小企業を取り巻く状況は刻一刻と変化しており、景況調査アンケートでも製造業の落ち込みと、人手不足感は継続しています。最近は、確信を持って言えることが少なくなりましたが、この「迷いながらも進む姿勢」が社員にも伝わり、組織の空気を変えていくのではないかと思います。経営指針書は社員の口を通じて語られるものにしてこそ活きてくるのだと感じています。

社員参画の「場」と「しくみ」づくり

「Ver.2」は、評価ツールとしての点数だけでなく、自分たちの目指す会社像があって、それに対して、人(社員)を生かしていきながら達成度合いを確認するものです。

当社では社員との対話のツールと位置付けており、朝礼・一対一の面談・経営指針発表会と中間報告会でのグループ討論で可視化と共有をしています。できるだけ多くの社員参画の「場」と「しくみ」をつくることで、社員自身が今ある仕事の成り立ちや後工程を考え、「自分事」として捉えていくようになります。

変革とは「問い」から始まります。変わり始めるのは今であると経営者が決断し、この「Ver.2」が社員と共に歩む「道しるべ」となるように活用いただきたいです。