活動報告

【連載 第2季】通算第15回/我が社と労使関係

「家族だから」の甘えを越え 未来を共につくる労使へ

牧ヶ野 卓也氏  (有)牧ヶ野業務店

牧ヶ野 卓也氏
牧ヶ野 卓也氏

私は幼少のころから、父の経営する会社の社員と共に暮らしてきました。自宅には事務所と社員寮が併設され、祖父母、両親、4人兄弟、社員6、7名が生活を共にしていました。学校卒業後は一度、他業種に就職しましたが、「自分が会社を継がなければ」という義務感から、結婚を機に当社に入社しました。

現場経験を経て営業となり、顧客の期待に応えようと無理な仕事も引き受けてきました。2012年に代表へ就任した当時は、会社を存続させるため、社員に「私も頑張っているのだから一緒に頑張ってほしい」と無理を求めていました。社員を家族のように思っているつもりでしたが、「家族なのだから会社に協力して当然だ」と一方的に甘えていたのだと思います。

転機となったのが、同友会の経営指針確立成文化セミナー道場編でした。会社の存続ばかりを考え、社員1人1人の人生や幸せを考えられなくなっていたことに気づきました。翌朝の朝礼で「今までごめん」と謝罪し、経営理念を発表しましたが、朝礼は静まり返りました。理念をつくり、謝っただけでは、社員との関係は変わらないことを思い知らされました。

その後、社員と共に経営指針づくりを始めました。最初は巻き込むことができず、目標設定にも失敗し、何度も修正を重ねました。現在は毎週進捗を共有し、毎月の会議で課題と改善案を話し合っています。自分たちの取り組みによって会社が良くなり、仲間と目標を達成することが、社員のやりがいにつながってきたと感じています。

かつての私は、会社を存続させるためには、社員も協力して当然だと考えていました。同友会で「労使見解」を学び、経営者と社員は、互いの人生を尊重し、それぞれの人生を豊かにするために、会社の未来を共につくるパートナーであると考えるようになりました。これからも互いを尊重し合える関係を育てていきたいと思います。