活動報告

【連載 第2季】通算第17回/我が社と労使関係

人の判断が企業の未来を決める

近藤 正人氏  (株)アートフレンド

近藤 正人氏
近藤 正人氏

私は経営を続ける中で、企業にとって最大のリスクも、最大のチャンスも、「人の判断」にあると感じています。そして、その判断を生み出す組織や環境をつくることこそ、経営者の責任だと考えています。

当社は中古トラックの販売やカスタム事業を中心に成長してきました。事業が拡大する一方で、経営者である私自身の判断に依存する場面も多く、社員の自主性を十分に生かせているのかという課題を感じてきました。

同友会で労使見解を学ぶ中で、社員を単なる労働力ではなく、企業を共につくるパートナーとして捉えることの重要性を再認識しました。経営者が一方的に指示するだけでは、社員の持つ能力や可能性を十分に引き出すことはできません。

例えば、当社のトラックカスタム事業では、以前はお客様の趣味や嗜好に応えることが中心でした。しかし現在では、運送会社がドライバーを採用するために「働きたいと思われるトラック」を求めるようになっています。こうした変化に対応するには、経営者1人の発想では限界があります。現場でお客様と接する社員の気づきや提案を生かし、共に新たな価値を創造することが必要です。

現在、私はグループ経営において、経営幹部への権限と責任の移譲を進めています。しかし、任せることと放任することは違います。経営理念や方針を共有し、判断基準を明確にした上で、社員が自ら考え、挑戦できる環境を整えることが重要です。

社員に成長を求める以上、経営者自身も学び続けなければなりません。経営指針だけでなく、財務計画を含めた具体的な経営計画を共有し、会社の未来を社員と共に考えることも、今後の課題です。

労使関係に完成形はありません。社員が安心して働き、成長を実感できる会社であると同時に、企業として利益を生み出し、持続的に発展すること。その両立を追求し続けることが、私の考える「人を生かす経営」です。

これからも社員と共に学び、共に判断し、共に成長できる企業づくりに挑戦していきます。