活動報告

2022年度インターンシップ(キックオフ 8月22日/修了式 9月2日)

就業研修を通して、中小企業を知り、自分の将来を描く

2022年度インターンシップ

コロナ禍での2年目

愛知同友会では1998年より大学生のインターンシップに取り組んでおり、2週間の就業体験を通して「働くことの意義」や「中小企業の魅力、仕事」を伝えています。昨年に引き続き、新型コロナウイルスの影響で、やむをえず中止となった企業もありますが、延期して学生を受け入れる企業もあり、各社感染対策を講じ、会員企業42社と同友会事務局で、80名の学生が2週間の研修に臨みました。

学生の学びから企業も学ぶ

8月22日のキックオフセミナーには、企業・大学・学生の総勢152名が参加しました。

まず昨年度、牧ヶ野業務店にて研修した奥村舞妃氏(名古屋経済大学3年)が報告。「何気なく見ている風景が、様々な仕事の上でつくられており、社会人のイメージが大きく変わり、固定観念を捨てることができた」「社長の雰囲気が会社をつくることを知った」と語りました。

浜木綿社長の林永芳氏からは、「自分なりの価値基準をつくること」「皆さんは自分の物語の主人公であり、生き方を決めてほしい」と、研修に臨む前の心構えについて報告いただきました。

その後、グループ討論にて研修の目標を設定し、各社での研修が始まりました。

林氏
キックオフセミナーで報告する林氏

9月2日の修了式では、再びキックオフセミナーと同じメンバーで集いました。

まず牧ヶ野業務店とはこび屋本舗より、それぞれ経営者と担当者、学生が報告。学生からは「会社を社員全員で良くしていこうという姿を目の当たりにした」「経営理念について考えると、様々な意見が出てくることが分かった」「何事にも楽しむ気持ちが大切だと気付いた」と語られ、経営者からは「会社全体の見直しに生かせる、学生からの積極的な意見があった」「学生と接することで、社内の雰囲気が明るくなった」との声が寄せられました。

グループ討論では各々の経験や成長を振り返り、今後その学びを具体的にどう活かしていくかを考えました。

修了式後には、企業と学校で「まとめ会議」を開催し、次年度に向けて有意義な意見交換を行いました。

体験と対話から学ぶインターンシップ~生きる・働く・学ぶ
学生が思う、よい経営者とは

インターンシップ研修生の作成記事

三州瓦の技術を学ぶ(伊藤技研の訪問にて)

愛知同友会事務局では、会として初めてインターンシップに取り組んだ1998年から毎年、大学生インターンシップに参加しています。今年も「中小企業の魅力・社会的役割や同友会事務局の仕事を学生に知ってもらう」「学生と局員それぞれが『生きること・働くこと・学ぶこと』を考える」を目的とし、学生3名を2週間受け入れました。

以下に、3名が共同執筆した「学生が思う、よい経営者とは」の記事を掲載します。相手の話を聞き、自分の意見を伝え、知らないこと・新しい視点を意欲的に学び吸収しようとする姿勢やその率直な意見。そこから、局員が学ぶ機会にもなりました。この2週間の経験が、未来につながっていくことを期待します。

経営者のイメージが変化

インターンシップ参加前は、経営者について「いつも事業のことを考えている人」というイメージを持っていました。しかし、研修を通じた経営者の皆さんとの出会いから、「よい経営者」とは、第1に社員や健康、家族のことを考えながら、すべてのコミュニティで信頼関係を築く努力をされ、社員と自分自身が共に成長している方々だと考えるようになりました。

2週間のインターンシップを通じて、私たちの考えた経営者像をお伝えします。

このテーマを選んだ理由

「よい経営者とは?」、これは同友会でよく聞かれる質問だと、私たちがお会いした経営者の皆さんは口をそろえてお話されていました。私たちは2週間のインターンシップで得た学びと、同友会の「3つの目的」の1つにある「よい経営者になろう」という考えを私たち自身で具体的に考えてみたいと思い、このテーマを設定しました。

ベースには信頼関係

私たちがお会いした経営者の皆さんから、様々な場面で信頼関係を大切に築かれていると感じました。

私たちがそれを感じたのは、社員の意見をくみ取りながら、障害の有無や年齢、性別に関係なく誰もが働きやすい環境づくりに努力されていることや、社員一人ひとりを理解したうえで仕事を任せ、そのことを通じて社員が成長できる環境をつくっている姿でした。

一見、こうしたことに信頼は関係あるのかと思われてしまうかもしれませんが、私たちは信頼関係があるからこそ社員から想いや意見を出してもらうことができ、またそれに応える姿勢がさらに信頼関係を深めていると思いました。

また社員との間だけでなく、経営者同士の信頼関係も大切だと感じました。私たちは同友会の会議で経営者同士が激しく意見をぶつけ合う場面を目にしました。それは信頼関係があったうえで、お互いに成長し合えるよう率直に意見を出し合っているのだとわかりました。

社員と共に成長する経営者

私たちは、お会いした経営者の皆さんや事務局の方のお話から、「社員と経営者が共に成長している」こともよい経営者の特徴ではないかと考えました。例えば、宣伝目的でインターンシップや地域の行事に参加する企業も世の中にはあるかもしれませんが、お会いした経営者の皆さんは会社のためという側面だけでなく、地域貢献や学生に社会を知る場面を提供することを考えてくださっていました。

長期ビジョンから、今の課題・今やるべきことをハッキリと持っている方、会社をよりよくするために、同友会のような場で勉強をしている方、社員と共に成長しようとする想いがある方、周りの幸せのために行動できる方も、私たちはよい経営者だと思いました。

建築技術で地域にどんな空間を提供して役立つかを学ぶ(加藤設計の訪問にて)

自分も周りも大切に

このほかにもよい経営者の特徴だと感じたことはたくさんあります。それは、心も体も、健康を大切にしていること、自分の性格や得意なことを理解していること、家庭の時間を大事にしており、自分らしく生きていること、性別、人種、障害、年齢など人々の違いを受け入れていること、社員や様々な人から「出会ってよかった」と思われることなどです。

終わりに ― 純粋に、積極的に

私たちは、よい経営者は心が純粋だと思いました。自分の欲のためではなく、周りの幸せのために行動ができることは、汚れた考えがないからこその行動だと感じたからです。

ですから、私たちはこれからの人生を、純粋な心を持ち、すべてのコミュニティで信頼関係を築く努力をして歩んでいこうと思います。また、自分から挑戦する行動をとると、自分が成長できると思います。残りの大学生活や就職活動では、自分から積極的に行動する姿勢を大切にしていきたいです。

写真で見る 2022インターンシップ 研修風景

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