活動報告

【連載】学ぼう、なくそう、ハラスメント(第9回)

職場のハラスメントについての定量調査(2022年)②

出所:パーソル総合研究所「職場のハラスメントについての定量調査 調査結果」P.14「ハラスメントに対する被害者対応」より抜粋

ハラスメントを引き起こす要因

職場のハラスメントに関するパーソル総合研究所のレポート(2022年)では、ハラスメントを引き起こす要因についても考察しています。

それによると属人思考的、権威主義的な組織風土や、対人関係の険悪さがハラスメントに強い影響を与えているようです。また、残業時間が長いほどハラスメントの経験率は高く、サービス残業のある会社は、ない会社に比べて2.5倍ハラスメント経験率が高くなっています。

見て見ぬ振りは加害と同じ

ハラスメントの目撃経験では、全就業者の約4割が職場で過去にハラスメントを見聞きした経験があり、そのうち10.3%は直近3カ月以内にも目撃した経験があると回答しています。ハラスメントに対する被害者、目撃者の対応は、図に示す通り、いずれも「特に何もしなかった」の回答が多数あります。

問題なのは、目撃者が「何もしない」ことです。見て見ぬ振りをすれば加害者のハラスメントを増長させることにもなり、被害者はますます孤立します。ハラスメントを放置せず、周囲が「それはダメです」と言える風土づくりが強く望まれます。

これは同友会内の人間関係でも同じです。見て見ぬ振りをすることは、加害者側に立っているのと同じだといえます。

社会保険労務士法 人びいずろうむ
佐藤 文子

職場のハラスメントについての定量調査(2022年)①はこちら