メルマガ―愛知同友会の「今」に繋がる50年の足跡―

 

第5回-II.共同求人

 

 

 中小企業の採用活動は、景況によって大きく左右されます。愛知同友会では、設立翌年の1963年から、共同求人活動をスタートしています。

 

 当時「オリンピック景気」とも言われる好況の中で、「将来的に必ず中小企業の採用は困難になる」との見方から、会員企業が共同で能登半島の職安や高校を訪問しました。

 翌年には会員企業の求人要項を収録した「求人ガイド」を発行し、高校に配布しています。

 

 これは、単に求人のためだけではなく、「大企業にばかり目を向けている世間の風潮に一石を投じる」という、現在の共同求人活動の根底となる考え方が早くも見られ、愛知同友会の先見性に驚かされます。

 

 その後、数年間の休止期間を置いて、1979年には全国で初めて「合同企業説明会」を開催しています。この年は第二次オイルショックの真っ只中でしたが、「中小企業は不況下でこそ優秀な人材を採用できる」と考えての取り組みでした。

 

 愛知同友会が30年以上にわたって共同求人活動を継続してきた結果、大学・学生からの中小企業の評価に変化が見られるようになりました。

 

 現在、大学からは大きな信頼を寄せられています。「同友会の会員企業は、皆、経営指針を持ち、共に育つ社風のもとで、人間尊重の経営に取り組んでいる企業」との認識が広がり、「安心して学生に薦められる」との声が寄せられています。

 

 また、合同企業説明会に来場した学生は、「地元には自分の知らなかった立派な会社がこんなにあった」とアンケートに回答し、会員企業への就職を希望する人数も年々増加しています。

 

 愛知同友会の活動が広まるにつれ、会員企業への期待も次第に高まっていきます。

それが、共同求人活動にも表れています。

 

(2012年5月28日発行)

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