第3回人を生かす経営全国交流会アピール

第3回人を生かす経営全国交流会アピール

時代認識を持ち、強みを発信し連携して同友会がめざす企業へ

 

 私たちは、「『希望創造』の時代、人が輝く企業づくりを~経営者の覚悟と実践」のテーマのもと、11 月15~16 日の両日にわたり、「第3回人を生かす経営全国交流会」を、愛知で開きました。

 21 世紀に入り、国内では雇用の流動化や少子化・高齢化が進み、また東日本大震災や円高など情勢が激しく揺れ動き、中小企業憲章が閣議決定されて2年を経たものの、経営環境はますます厳しくなっています。そのような中、本交流会では、「中小企業における労使関係の見解」(1975 年発表、以下、労使見解)の実践と、同友会がめざす企業のありようを真剣に論議し、謙虚に学びあいました。

 

 1993 年に中同協第 25回定時総会で採択された総会宣言では、「経営活動と同友会運動が不離一体であることを確信し、同友会の理念に基づいて地道な努力を積み重ねていくことが、企業発展の何よりの保障である」として、「21世紀型中小企業」像について次のように提起しています。

 第一に、自社の存在意義を改めて問いなおすとともに、社会的使命感に燃えて事業活動を行い、国民と地域社会からの信頼や期待に高い水準で応えられる企業。

 第二に、社員の創意や自主性が十分に発揮できる社風と理念が確立され、労使が共に育ちあい、高まりあいの意欲に燃え、活力に満ちた豊かな人間集団としての企業。

 

 それから約20年、私たちは、経営者自らの経営姿勢を確立し、経営指針を社内外に明示して社員教育を進め、持続可能な企業・地域をつくっていくために、若者の計画的採用ができる企業づくりを進めてきました。また、社会(地域)の大切な一員である障害者の力を生かす雇用も推し進めています。そして、同友会の企業づくりの教訓が生かされた「企業変革支援プログラム」の活用もすすみ、地域を守るために、企業間はもちろん教育・研究機関や公的機関、金融機関との連携も広がってきています。

 本交流会では「21世紀型中小企業づくり」を推進することの重要性を改めて確認するとともに、以下の教訓を得ることができました。

  ①経営者が時代認識を持ち、自社の強みを明確にして発信し、企業間連携や外部

   (行政、教育・研究機関、金融機関など)との連携で、国内外を問わず市場を

   創造しやすくする仕組みをつくり、付加価値の高い仕事をして、雇用を増やしていくこと。

  ②経営者として同友会で学び、学んだことを経営実践し、同友会で学ぶ仲間を

   地域に増やし、同友会理念にもとづいて地域を変えていくこと。

 

 これらを実践する中で、中小企業憲章の精神を生かし、地域ビジョン作成や中小企業振興基本条例制定などにもつなげ、さらに連携を広げていきましょう。

 今こそ、この厳しい経営環境に経営者が社員とともに立ち向かい、若者に中小企業の魅力を伝え、地域に若い人材を残すために新たな仕事づくりで雇用を維持・創出し、「人を生かす経営」をすべての同友会活動の柱に据えて学び実践していきましょう。本アピールを全国の中小企業経営者、地域づくりや人育てにかかわるすべての機関に発信し、共に「人を生かす」時代をつくっていくことを呼びかけます。

2012 年11 月16 日

中小企業家同友会全国協議会 第3回人を生かす経営全国交流会

コメントは受け付けていません。