第3回-I.「三つの目的」のルーツ
「自力三分、環境七分」
同友会理念のひとつである「三つの目的」。これは全国各地に同友会が生まれ、発展を遂げていく中で「同友会とはどういう会か」確信を持って説明できる理念が求められるようになり、同友会の目的や性格を成文化したものとして、1973年6月に第5回中同協総会で「三大目的」として採択され、現在に受け継がれています。
その「三つの目的」のルーツともいえる重点課題が愛知で提唱されたという記録が残されています。それは1966年第5回名古屋同友会総会で提起された「4つの柱」(「4つのスローガン」)です。
具体的には、
①「会員の多面的な要望に応える会にしよう」
②「経営者の姿勢を正し、企業活動を発展させ赤字企業をなくそう」
③「中小企業の当然の要求を声を大にして訴えよう」
④「会員を増やし同友会を大きくしよう」
というものです。
またこの時期の名古屋同友会方針の中で、「中小企業の運命は、自力三分、環境七分」という言葉がたびたび見られました。これは、環境変化への対応も必要ですが、自助努力も必要である事を経験的に表したものと言えます。
まとめられた「三つの目的」のそれぞれに共通する文言は『自主性』。愛知同友会の創立時から「個別分散化した中小企業家が結束しなければ企業経営が成り立たない」との危機感が背景にあり、自助努力の精神が脈々と受け継がれています。
(2012年4月23日発行)