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第3回-II.経営指針運動のはじまり

 

 

 同友会らしい黒字企業づくりの取り組み課題として広く認識されている「経営指針」の実践ですが、その提唱は今から37年前、愛知同友会から始まりました。

 1975年の愛知同友会第14回定時総会において「低成長不安定時代の経営方針(案)」として次の8項目が提案されます。

 ①経営理念の確立、点検と徹底こそ急務

 ②志気の高い社員づくりと機能的な組織を

 ③シェアの拡大と危険分散型の下請形態に

 ④コストダウンの徹底

 ⑤資金効率を高めよう

 ⑥開発改良に力を注ごう

 ⑦社外に色々なブレーンをもとう

 ⑧経営者としての自己啓発に全力を

というものです。

 

 この時の定時総会で討議された過程で「経営方針」は「経営指針」と名前を変え、その後も定時総会の度に確認され、その内容が充実するようになります。

 

 1976年の第15回定時総会では「長期不況下での経営を発展させるために(経営指針案)」として、これまでの8項目の内容を発展させるとともに、「世界的な視野で経営しよう」「経営者は社員の3~5倍勉強しよう」の2項目が追加された10項目が確認されました。これら10項目は現在の経営課題と照らしても共通の課題がいくつもあり、また企業変革支援プログラムのカテゴリーとも符合します。当時の先見性が伺えます。

 

 1973年に中同協第5回定時総会が愛知で開催され「同友会の三つの目的」が成文化されましたが、その2年後から愛知同友会では「三つの目的の具体化」として、先述のように1975年に初めて「経営指針」を提起し、その翌年以降「経営指針」は会の中心的な取り組みに結実していき、全国の同友会運動の先駆的試みを発信しました。

 

 2012年度は各支部での経営指針「入門編」の充実、経営指針実践の課題を取り上げる地区例会づくりが活動方針で確認されています。改めて愛知同友会の運動の確かさに確信を持ち、会員各社での経営指針実践に注力してまいりましょう。

 

(2012年4月23日発行)

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